まだ途中までしか読んでないので、この先どうなるのか分からないままでの感想になります。
ネットで無料で読めるのが10巻までだったので、物語の3分の1しか読んでいないことになるのですが、一巻からずっと胸を鷲掴みにされっぱなしです。やばい。
そして、地球滅亡後の生き残り物語なので、やっぱり辛いです。
なんとなくそれを知っていたので、読むのはずっと控えてきたんだけど、やっぱり読んでしまいました。嗚呼……辛い。。
一巻からずっと号泣しまくりで、感情揺さぶられしまくりで、キャラクターに感情移入しては泣きまくりで読みました。
物語の構成としては、さいとうたかおの『サバイバル』と似ています。
地球が天変地異によって壊滅的被害を受けた後の、生き残りの物語。
やっぱり、どの物語でも、生き残った者同士助け合って、、、、とはなりません。
どの物語でも、一番怖いのは人間で、上下関係は生まれるし、搾取する者される者、恐怖による殺し合い、
そうでないない者は自分一人で生きるしかなく基本的に孤独、
逢いたい人がいるなど、希望を抱いている人は強く生きていけます。
こんなんを読むと、まぁよくある「地球が滅亡するとしたらどうする?」質問には、「さっさと先に苦しまずに死にたい。」ってなりますな。(о´∀`о)生き残るほうが悲惨。
せっかく会えた生き残りにも何されるか分からないし。若い女の子は特に、気をつけないとレイプされそう。。間違いなくされるでしょ。性欲強い奴は生命力強いし、非常時には尚更、種を残そうとする本能が芽生えるはずです。男のほうが心細さには弱いし、そうした心の隙間を埋める意味でもレイプしそう。もう誰も咎める人もいないしね。弱肉強食の世界だよ。あああ怖。。勿論、紳士的な男性もいるでしょうが。。
結局、理性や秩序って、ある程度生活できる豊かさがあってこそ成り立つんだと思います。若しくは、よっぽどの精神性があるか。でも、潔癖なくらいきちんとしようとする人は非常時に於いては柔軟性が欠けてるということになって死んでいくと思う。
あとは、あんまり頭が良くても心を病み易いし、優秀さ故にプライドが高くてそれが邪魔するとか、
ただ能力が高けりゃ良いって訳でもないってのが生きるということなんだなぁと思わせられました。
11、12巻のあらすじを読むと、メンバー全員が生き残っているのは落ちこぼれを集めたという夏Bチームだけらしいので、『生き残る』ということに焦点を当てた場合、能力の高さだけが重要じゃないんだね…っていう。。
多少のおバカさんもいたほうが、精神的に楽なんでしょうね。
エリートの集まりだった夏Aチームが未来に行く頃には心病んでしまったように、
すんごい能力高くても、精神が病んでしまうとダメなのよ。。
夏Aチームは、滅亡後の地球で生きていく気満々だっただけに、あのテストさえなければなぁ、、と悔やまれます。。やり過ぎだよ先生ー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)。。。
どうも、やっぱ”お上”方たちって、人の気持ちを推し量ることが出来ていないと思います。。
データばかり見て、個人個人の気持ちにまでは配慮できない。
『生きる』ということは、能力さえ有れば良いということではなく、『気持ち』や『心のありよう』が、とっても重要なんだと思います。
冬チームの孤独にも、身をつまされました。
15年もあんな世界で一人で生きる?!
あり得ません。。普通だったら、たぶんとっくに自殺してると思う。
こういった世界で一人は、本当ーーーーに、辛過ぎだと思います。想像できない。いや、したくもないし、ちょっとしてみただけでもとてつもない孤独でゾッとする。
手塚治虫の『火の鳥』でも、何千年も一人で生きてる人の話が出てきましたけど、本当に怖かった。
その世界では、一つだけカプセルがあって、そこに生きてる人が眠ってていつかは目覚めるんだ…!というのを希望にその人は生きていた訳ですが、結局、あまりにも目覚めないのでカプセルを開けてみたら、とっくにその中の人はミイラ化してたんですね。何千年も持ち続けた唯一の希望が打ち砕かれた瞬間。。
嗚呼…別に、生きてることが素晴らしいとかそんなことないじゃん、ってカンジでしたね。途方もない絶望を味わっただけじゃんみたいな。。
刑務所でも一番堪えるのは独房、って言いますし、
人間、孤独が一番辛いんじゃないでしょうか。。こんな、本当の孤独は嫌ですね。。
『7SEEDS』を読んで良かったな、、と思うのは、現代生活がいかに素晴らしいか、恵まれているかが実感できて、心から先人たちに感謝を出来る、ということです。
「愚痴れる幸せ」とでもいうんでしょうか。。
我々は、何かあるとすぐに愚痴ったりしちゃいますけど、
愚痴れるだけ、幸せだったんだな、と。
先人たちは、もっともっと過酷な苦労をしていて、その中で、後世には同じ苦労をさせまいと、頑張って良いものを残してくれたのではないかと、思いました。
残してくれたものは決して完璧ではないけれど、それでも、先の時代からすれば、格段に良いはずです。
人は、こうやって、何代も何代も、改良を重ねて生きてきたのかな……と
古代の暮らしを想像したりもしました。
今、何故か縄文時代がもてはやされていて、あの時代は一万年続いたからすごい平和だったんだ…!縄文に見習おう…!縄文回帰…!みたいなカンジですけど、
これ、多分、、
縄文時代が平和だったというより、単純に、争うほどの人もいなかったんじゃね…??って思ったんですよね。
『7SEEDS』内でも、生き残った数少ない人を求め、暮らし易い土地を求めてみんな移動をしていくのですが、
意外と世界中を移動をしていたという縄文人も、こおいう理由で移動してたんじゃね…??と。(о´∀`о)
別にね、今みたいにレジャーで移動してた訳じゃないと思うんよ。
《生きるため》に、より良い土地を探す、災害に遭ったから移動する、作物を求めて移動する、人に会って情報を得たいから移動する、
そっちの方が、理にかなっています。現実的っていうか。
移動なんて、しなくて良いならそっちの方がふつーに楽!ですからね。
地球を股に移動するなんて、どう考えても命がけですよ。つーか、命が掛かってたから移動した。移動しないと生きていけなかったから。
そう考えた方が、しっくりします。
という訳で、
別に、縄文時代が素晴らしいとは思わなくなりました。今が一番良いです。
勿論、縄文時代ならではの素晴らしさもあると思いますが、今が一番良いです。
なんで今よりあらゆる汚染が無かった縄文時代の人が、今よりも寿命が短かったのか疑問だったんですが、単純に「生活が過酷だったから」だと思います。
いくら狩猟採集生活で“仕事“する必要がなかったとはいえ、“生きるためにやらなければならない仕事”は無限にあったでしょうし、大雨が降れば流されてしまうような家で、夜中に家が崩れてきたから逃げなきゃとかもたくさんあったでしょう。小さい子供は体力がないので、そんな生活では幼くして亡くなる子も多かったでしょう。又、環境汚染は少なかったでしょうが、そのぶん有害な虫とかも多かったでしょう。蚊が多いだけでもストレスだし、病気も媒介します。
うーん。。。。
やっぱ、今が一番ですね。。
有害物質は多いけど、
それでも、殺虫剤とかがあるおかげで、快適な生活が送れています。
自然100%の環境でなんて、こんな弱っちい人間は生きていけませんよ。
リゾートホテルみたいに、ある程度の自然があって管理手入れがきちんとされている、そこが理想郷ですよ。高いお金払わないといられないけどね。
理想郷はあるけど、限られた人、限られた時間しかいられない。それを維持するには、大量の従業員(奴隷?)が必要となる。化学物質だって、たくさん使う。たくさんのエネルギーを要する。維持できなくなれば、簡単に廃墟と化する。
人間の業、というか、
生きることの業、を感じます。
誰だって楽に豊かに生きたいし、そこに向かっていくから生きる希望もある。
ヒトは、希望がないと生きていけない。
うーん。。とにかく、いろいろ、考えさせられます。
『7SEEDS』内では、各地に幾つかのシェルターがあって、生活物資や植物の種などがありました。そこには生きていくための、建築技術など生活の知恵を書いた書物もありました。
これって、現代社会でもこおいう場所があるんじゃね…??ってカンジですよね。
バチカンとか、世の秘密結社が抱える施設には絶対ありそう。
そおいう施設を独り占めしちゃえば、世を支配できる訳だし。こおいう場所を知った人が、そうそう全ての人に公開する訳ないですからね。
人間て、ある程度滅んでは、こういう場所で知恵を得て、発展して、また滅んで、、、みたいのを繰り返しているのでしょうか…?
とりあえず現代では、宇宙人が飛来して知恵を与えた、みたいになってるけど。。
実際古い施設には無数の書物が保存されている訳で。そこにはピラミッドの建設方法も書かれているみたいだし、
こうした書物を管理する人らが操作して小出しに情報を出したり技術を提供したり、、、は、十分あり得る話です。
まぁきっと本当の歴史なんて、いざ知ったらロマンのカケラも無さそうよね。。
『7SEEDS』を読みながら、現代文明の成り立ちにも思い馳せてしまいました。人間の考えることなんて大昔から変わってないですからね。
繰り返し繰り返し生きながら、『こうしたほうが良いよ』ってことを言葉や風習に込める、
そう考えたほうが、しっくりくるんです。
そう考えると、ことわざとか、四字熟語とか、本当に奥が深いです。言葉にはやっぱり人類の歴史と叡智が詰まっていますね。。
あと、作中で、キャラクターたちが岩場にメッセージを残したり絵を刻んだりしていたのが、とても印象的でした。
全国に残るペトログリフって、結局コレじゃね?とか、思いました。分かりませんが。
でも、水のある場所を指し示したとかも言いますよね。
そおいう目的のものもありつつ、
生きるため移動せざるを得なかった中で、自分がここに来た証に名前を刻んだり後から来る者にメッセージを残したり絵を描いてみたり、、、って、十分あり得ます。
現代人でも〇〇参上!とかやりますし。←これ、なんでそんなことやるんだろう?って不思議だったけど、古代に移動しながらやっていたことが無意識に出たものかも?とか。
連絡手段がなかった時代には、駅の掲示板みたいにメッセージを残していくしかないですもんね。
石板の上にポコポコ穴が空いている遺跡のやつも、もしかしたらそこに辿り着いた人がすることになっている何かのサインだとか、何かの印だったのかもしれません。
人間、分からないものを神秘的に捉えてしまうところがありますが、
実際にはもっと生々しい、人間臭い理由でやったものが多いのかもしれないですね。
どちらにせよ大昔のことは分からないですが、
『7SEEDS』を通して、様々な感情に心揺さぶられながら、古代人の歩みにも思いを馳せてしまいました。
シェルター編で、ダニによって全員亡くなってしまったのもリアルですし、希望を与えるのに嘘をつくのもリアル。
様々な生き様と想いがリアルで、とにかく田村由美先生、凄すぎん?!っていう凄さです。
本当、このお方の頭の中はどうなっているのでしょう??(о´∀`о)
後半には佐渡ヶ島も出てくるそうで、
佐渡には去年、どーしても行ってみたくて無理してまで足を運んでいるので、妙なシンクロを感じました。
田村由美先生は、『BASARA』でもそうでしたが、新しい国づくりとかに興味があるのかな、、とか思いました。流れ的には7SEEDSの後にBASARAがくるみたいですが。
人が一旦滅びた後の世界や社会がどうなっていくのか、そしてその中でどう生きてどのような世界に向かっていくのか、そこを多く描いているように思います。
『ミステリという勿れ』でも主人公が「常々思ってることなんですけど〜」と、たくさん喋るのですが
あれだけ核心突くことをスラスラ描けるということは、相当、普段から幅広い視点で考えて確固たる信念をお持ちなんだと思います。漫画家さんて、ファンレターを通していろんな悩みも打ち明けられるでしょうし、それらをなんとかしたいという想いもあるのかもしれません。
デビューしてからもう40年近く(?!)第一線で活躍し続ける漫画家さんでもあり、本当に凄い人です。
どんなに広大な話もブレずにちゃんと描き切るし、伏線も素晴らしく、天才という言葉では軽すぎて表現できないくらい凄い漫画家さんです。
いやぁー、、、無料で全部読めたらと思ってたけど、こりゃ続きが気になりますね。。
全部読んでやらないと、私の中のキャラクターたちが報われないぜ。。(о´∀`о)
でも買うのはなー、、石垣の古本屋もなくなったからネットしかないしー、、、と、こんなちっぽけな悩みに真剣に悩んでいる幸せな私です。
現代に生きられていることに多大な感謝が湧いてきますし、この時代に生まれてこれただけで本当に幸せだと思います。そして、古代を生きながらえてきた先人たちにも感謝。
本当に、、
自分が生まれてくる前の時代に生きた先人たちに感謝できる漫画です。
先祖供養が一番大事と言われる意味が分かった気がします。我々の暮らしは、先代たちの生と死の中で生まれた知恵と思いやりによって支えられています。本当に有難いことです。
まだ物語も半分も読んでいませんが、いずれちゃんと最後まで読んでみようと思います。
田村由美先生、素晴らしい作品を生み出してくれてありがとうございます。