離島生活で思ったこと

沖縄の離島で暮らす中で思うこと、考えたことをつらつらと書いています。思考のウンコのようなものなのでまとまりはないです。

CRUSADER(クルセイダー)/水縞とおる

 

 

 

捨てたと思っていたら出てきたので、この作品の感想?を書いておきます。

 

1989年〜1993年にかけて新書館ウイングスにて描かれた漫画になります。

 

 

女性作家にありがちな、雰囲気先行な漫画でありますが

私はけっこうこの雰囲気が好きでした。

 

 

世紀末、広陵とした大地、旅、出会い、輪廻してゆくもの‥‥

 

 

宮崎駿さんの「シュナの旅」にも似てますかね。。貧しい自分達を救うものを求める旅、みたいな。

 

今読むと、沖縄のニライカナイ信仰にも共通してると思いました。

 

 

本当にあるかどうかは誰も確かめてないけど、ただの伝説かもしれないけど、誰かの作り出した幻想かもしれないけど、、

 

『希望』を見出して生きていくために、誰ともなくいつの時代にもこうした理想郷は生まれるのかもしれません。

 

 

又、

物語の最初は現代なのに、核戦争?のようなことが起こった後は時代が逆戻りしたような世界観になっているのは単にその舞台が作者好みだから、と、ばかり思っていたのですが

 

よくよく考えると

 

もしリアルに核戦争が起きて世界中の今ある文明が破壊されたとすると、

我々はまた物のない原始時代みたいな生活に戻らざるを得ないんですよね。

 

今、とある地域で被災しても救護用テントがあったり、救助が受けられて元のように復興出来たりするのは

被災地以外にはまだ文明があるからで。

 

もしも地球全体が被災したら、

復興したくてもそれを可能にする機械も原料も人材も無ければ何もできません。

 

せいぜい、頑張って火をおこしして今日のご飯を確保していくのに精一杯になるのではないでしょうか。

 

機械がないのなら、人の手で作れるものでしか暮らせません。

 

リアルにいえば、弥生時代みたいなカンジになるのではないでしょうか。一気にね。

 

 

古代遺跡を見れば

かつて高度な文明があったことは確かで、

 

でもそれは何かが原因で一気に滅びているんですね。

 

んで、生き残った人たちは弥生時代みたいな生活に戻りつつ、《でも記憶の中では文明があったことを知っている。》

 

その記憶も、世代を経れば実体験として知ってる者はいなくなり、ただの伝承•伝説になってゆく。。記録として残っているものさえも、それが一体何だったのか、本当に実在したのかさえも分からなくなる。

 

今のスマホやパソコンだって、電気が付かなければ黒い画面なだけで、その中でメールが送れたり映像が見れたりなんて、想像もつかないでしょうからね。

 

文明は一気に滅びると当時存在していたものなどは伝説になり、

それを見たこともない者には理解できない。百聞は一見にしかず、ですから。

 

 

いま私達が生きている地球も、そんなことの繰り返しの渦中にいるのでは?と思います。

 

 

 

「CRUSADER」自体の物語は、

 

今のトルコみたいな乾燥した大地の世界観を中心に描かれています。

 

小さな女の子が、生き抜くために女だということを隠しながら、日本でいう桃源郷を探す旅をしていくのが主軸です。

 

作者的には、その旅を中心に色々描きたかったものもあったのでしょうが、世界観が壮大になり過ぎて描ききれなかったのでしょう。

 

どうしても、読んでいて言葉足らずだったり辻褄が合わなかったり

よく分からない点が多いです。絵は可愛いし綺麗なんですけどね。

 

 

漫画として面白いかと言えば面白いという人は少ないと思います。

雰囲気先行型の、同人誌みたいな作品です。

 

 

でも、

この作者の描きたかったことも、なんとなくわかるんですよね。

 

終末思想とか

核戦争とか

 

今でもそうした危険性は無い訳ではないですし。

 

むしろ、

 

放射能汚染とかは普通になっちゃったし。

 

 

 

これだけ文明に囲まれた生活をしていても、桃源郷は求めてしまいますしね。

 

 

 

いつの時代も、

 

人は桃源郷を求め、理想を追い求めてしまう生き物なのかもしれません。

 

 

あと、この漫画のように

限られた人数で過酷な環境のなか生き延びていかなければならないとしたら?

って考えると、宗教や規律が生まれた過程も理解できます。

 

資源や食べ物が限られていますからね。。

 

又、弱くて刷り込みがしやすい子供がさらわれたりするのも。。。分かる気がします。

過酷な環境では、思うように子供も生まれないでしょうし、無事に大きく育つ子も少なかったはずです。

自分たちの部族(グループ)が生き延びるために、子供を囲い込み、労働力にしたり子供を増やしたりするのに使ったことは容易に想像できます。

 

 

人間のすることなんて、大して変わってないと思います。

 

 

この漫画自体はそこまで面白い訳ではないですが、

当事者目線で読むと他人事ではありません。

 

しかも、ある程度豊かになって暮らしが安定してくると権力を持つ者が現れてくるしw

 

人間の考えることは変わらず、やることも変わらないんだろうな〜と思います。

 

 

権力者側になるなんて想像もつかない私は、

前世もずっと庶民だったのかもしれません(笑)

 

 

というか、

自由に、あちこちを旅できる能力を持った人のほうに憧れるかな。

 

 

そうやって、人は桃源郷を求め、探して、旅をして

地球全体に広がったんだと思います。

 

 

今、地球全体至る所に人は住んでいます。

 

桃源郷は、あったのでしょうか?

 

 

 

地球にはなかったから宇宙に出て他の星を探す?←今、この時点なのかも?

 

 

人間自体の精神性が成長しない限り、どこに行っても同じように思いますけどねえ。。。

 

 

住めば都。

 

 

住む場所の条件は確かに大事ですけど、

 

桃源郷にするには、高い(優れた?)精神性と社会システムが必要になると思います。

 

 

今の地球の支配者らは、

庶民を奴隷化して都合の良いようにコントロールする社会システムを桃源郷だと目指しているようですけどね。。

 

どうなんでしょう?

 

 

誰かや何かを犠牲にしないと成り立たない社会は必ず滅びるように思いますが。。。

 

どうなんでしょうね?

 

 

 

何事も良いふうにとらえることでしか得られない幸せではなく、

 

心から沸き上がる幸せを噛み締められる世の中を望みます。

 

 

嬉しくて飛び跳ねて好きな人に思わず抱きついてしまうような

そんな日々を味わいたいものです。

 

 

 

 

 

漫画「CRUSADER」、けっこうありがちな異世界世紀末フアンタジーですが、絵が可愛くて丁寧に描かれているので、そこは見応えあります。

 

今ではなかなか入手し難いでしょうが、絵が好みでしたら一度読んでみるのも面白いかと思います。