離島生活で思ったこと

沖縄の離島で暮らす中で思うこと、考えたことをつらつらと書いています。思考のウンコのようなものなのでまとまりはないです。

『聖伝』感想など:ネタバレあり







最近、CLAMP 作のコミックス『聖伝』を読んでいました。







今、《なかよし》で『カードキャプターさくら』という可愛い作品を描いているCLAMP さんの作品です。

元々同人誌界でも活躍していた作家グループですが、この『聖伝』が商業誌デビュー作となります。








いや~

第一巻が発売されたのが1990年?!

今からなんと30年前になります。
Σ(゜Д゜)



ビビりました。

計算間違った……??と思ったけど、間違いではありませんよね………(о´∀`о)



年月恐るべし。







描かれた年月こそ30年前ですが、今見ても全く遜色なく、むしろあの時代だからこそ描けた最高傑作だと思います。


いや~

トーン処理とか素晴らしいし。



絵柄の豪華さとダイナミックな世界観、


他のコミックスと紙の大きさは一緒なのに、本当、 描かれた世界観が大きく 巨大に見えるんですよ。


いくら作者が美大卒とはいえ、それだけでは語れない圧倒的画力があります。


改めて読んで、ほれぼれしながらページを眺めました。

コレ、原画で見たらもっと迫力あるのに。。


CLAMP はいろんなイベントを立ち上げてきましたが、実はあまりモノクロ原画の原画展ってやってないような。。?
私が知らなかっただけでしょうか。



いや~一度、モノクロ原画も見てみたいですね。

『聖伝』の原画なんて、ただでさえ豪華絢爛な絵柄なので、ものすごい迫力なはず。





トーンの粘着力が未だにもっているかは謎ですが…(о´∀`о)、
ぜひ今からでも原画展を開いてくれるなら見に行きたいです。













でもって内容。








既に何度も読んだことあったけど、


子供時代から30年経ち、《大人》になった立場で読むと改めて考えさせられる点がいろいろありました。



阿修羅をかくまったが故に一族を滅ぼされた夜叉。


天帝に滅ぼされた都市の数々。 




リアル界、この30年の間に沢山の震災があり、原発事故で私自身のふるさとも失って改めて読むと、心が「ぎゅっ」となります。。

自分以外の同胞(一族)が亡くなるなんて………想像もできない途方もない孤独です。
私のふるさとは原発事故による汚染で失くなりましたが、親戚たちは一応無事でしたから……。。まだ不幸中の幸いでした。。
一方、一族全員を失った夜叉の孤独は………想像不可なレベルですごかったろうな。。だからこそ、天界の禁忌といわれた阿修羅を愛せたか。。?













我が子が災いになろうとも誕生を望んでしまう親(阿修羅王)の気持ち、


愛する人の望みを叶えるべく愛する人を殺し、食(は)み、多くを犠牲にしてでも約束を果たそうとした天帝、

愛する人を殺されて復讐にはしる人、





なんかこの物語ってつまりはものすげぇエゴを貫いた人達の話じゃん!? とも思えてきます……^_^;




純愛、ってよりかはエゴに近い、もっと強烈な感情。


とにかくいろんなカタチの愛が、描かれています。








日本の《神話》も、実はけっこう生々しい人間模様が描かれてるのですが、
『聖伝』の人間模様もホモにレズに近親相関にロリコン(?)になかなか何でもアリです(笑)


初めて読んだ中学生時代にはよく分からなかったけど

改めて認識しながら読むとすげーわ。。



《神族》たちの神話なのにフツーに人間臭いしね。



日本の《神話》も、実はけっこうリアルに起きた人間たちの話を神話化しただけなので、まぁ納得っちゃあ納得ですが。






阿修羅たちは宿命(運命)・星の軌道を変えられるのか否か?!がこの作品の大きなテーマであったと思います。


宿命・星の軌道はあらかじめ決められているので変更は絶対に無い、というのがその道のスペシャリスト・星見の意見でした。


月が地球の廻りを回るように

銀河系の星が太陽の周りを回るように


分子が原子の周りを回るように、





『その星』の軌道を変えることは、『そもそもあり得ない』ことなのかもしれません。

軌道が変わっちゃったら、そもそもカタチを維持できないかもしれないし。存在しなくなっちゃうのかもしれないし。









でも、

夜叉と阿修羅は変えてみせました。


『絆』によって。


それは『愛』とも言い換えられるかもしれません。


とにかく、己の意思により、変えられちゃったんですね。



私は、

そこに何か『希望』を感じました。



人間の持つ『意思』の可能性というか 。












「運命は変えることができる。」

(「BANANA FISH 」でもこのセリフは出てきましたね。)










この可能性を、『聖伝』という作品を通して、訴えられた気分であります。
















運命は、変えることができるんですよ。
















それがたとえ『運命』であっても。























“潜在意識点火法”により、私は、生まれながらにある程度の運命が決まっていることを学びました。

人は、生まれた日ちに(生年月日)で
既に歩むべき人生が決まってしまってるのです。その人生の宿命が。







でもね。









それはあくまで『一部』であって、本当は、変えていけるんじゃないかな??って思うんです。
そう思いたい!というか。(о´∀`о)




勿論、



変わる、って 並大抵のことではありません。努力、覚悟、実力、 要ると思う。








でもね。










本気の望みって、本当に叶うと思う。











私だって、今じゃ沖縄に住んでるけど、

来た当初は、 場違いな奴だの○○だの、相当、酷いことも言われました。

住む家も仕事も決まらなくって島を出るしかない時もたくさんあって、でも、また、島に必要とされたくて来た。何度も。何度も。


結果、気付いたら私を見下していた人達は島を去ってて、なぜか私なんかが島に住めています。





本気の夢は叶うんですよ。

まぁ。 叶えた分の苦労はありますし、

自分自身を変えるにも、相当ムリして苦労してきたと思いますが。






聖伝キャラのように、自分のエゴを貫いたから一族惨殺とかまではまずないでしょうが、

己の運命を変えるには、それなりのリスクはあるかもです。









でも、



夢は叶うし





運命も変えようと思ったら変えることはできる。







そんなことを教えてもらった作品になります。(私にとっては。)













とにかく、

買って損はない実力派の作品です。



冒頭から張られた伏線、見事に構成された物語、

トーン処理の凄さ(!!)、





トーン処理に関しては、PC で描くのが普通になってしまった今ではもうなかなか見ることのできない迫力で本当に見応えがあります。

やっぱアナログ・手描きのパワーってすごいですよ。“魂”感じる。








とにかく読んで損はないので、

興味があるなら是非!読んでみて下さい!!