離島生活で思ったこと

沖縄の離島で暮らす中で思うこと、考えたことをつらつらと書いています。思考のウンコのようなものなのでまとまりはないです。

『MONSTER 』考察/浦沢直樹 著 

漫画『MONSTER 』、久々に読みました。



やはり、構成力が抜群で、感嘆します。



この漫画を知ったのは高校生時代、クラスの男子たちが回し読みしていたからです。
皆、口々にすげぇと言いながら読んでいたのが印象的でした。

当時は絵が苦手で読むには至りませんでしたが、カバーデザインも秀逸でいつも本屋では目につき、いつかは読んでみようと思っていました。


漫画ならではの表現、伏線の数々、、
ミステリー好きのみならず、たくさんの人に読んでもらいたい作品です。






***
ここからネタバレしていきます。

内容を知りたくない人は以下読まないで下さい
****************











とはいえ、読後は決して後味の良いものではありませんでした。





ラスト、ヨハンは何故いなくなったか??


母親に会いに行った??殺しに行った??
結局、復讐の輪廻は止められなかったのか???……
(てか、ふつう寝たきりだと足腰弱ってすぐには動けないから チャンスがきたらいつでも行けるよう密かに夜な夜な筋トレでもしてたんか??(笑))







なんだか・・・全然救われてませんヨハン。。( ´∀`)









この漫画はドイツ(でいいのかな??)東西冷戦時代という設定になっています。

実際、ナチス時代には様々な洗脳実験や人間兵器?を作る試みがされてきました。

今ではいろんな暴露本があり、こうした事実は当たり前になってますが 当時はオウム事件も発覚した頃で、本気で人を洗脳をしてうんたらかんたらしようとしてる組織もいるんだ、ということはかなりリアリティをもって迫ってきたと思います。

同時期に描かれた『BANANA FISH 』(バナナフィッシュ)も東西冷戦時代が舞台で 麻薬を使って人間を兵器にするような話が出てきます。(そして、『MONSTER 』と同じく頭の良い主人公は『特別な教育』を受け、陰謀に巻き込まれていきます。)


こういった洗脳陰謀モノの作品が同時期に生まれたのも時代性ということなのでしょうか






ヨハンもまた様々な陰謀のなかで生まれました。

頭が良かった故に小さい頃から自分の生い立ち含めいろいろ分かってしまったのか………


とにかく愛に飢えてるカンジ。。

生まれながらに人を信用してないというか……親切に助けてくれた人まで次々に殺してしまう歪み具合。

胎児の時から、恨みをはらすよう母親から念を送られていたからでしょうか……( TДT)

胎教って 大事。

子供に自分の恨みを晴らさせるなんてダメだよ。





無限の住人』(沙村広明・著)でも、孫に恨みを晴らすよう言い聞かせるシーンが出てきます。孫は、それな素直に従って生きていきます。


でも、そうやって恨みを晴らすために生きる人は皆、幸せにはなりません。
仮に、念願叶って恨んだ相手を殺しても、かえって自分が更に苦しむんですよね。。






恨みを晴らすとは、相手を殺すことではなく、



『理解して欲しかった。』



『自分の想いを 理解して欲しい、』



『自分のことを見て、愛情をちょうだい!!』





そおいう内に秘めた想いを『伝えたい』、ということなんじゃないかな~とか 思いました。






でも、反りが合わなくて理解し合えない人っていますもんね。

そおいう人に理解を求めても理解される訳ないから、
その哀しみや苦しみが「恨み」というカタチで出てくるんじゃないかな~なんて。。





今だったら、むしろ自分のことが他人に理解されるなんてこと自体が稀なことなんだから、いい意味であきらめなよ~とか言いたくなりますが^_^;

純粋?な子供には多分通用しないですよね。

子供にとっては親は絶対だし、自分をなによりも分かって欲しいし。




私も母親とは合わなかったようで、痴漢に遭っても慰めてくれるどころか怒られたりして哀しい想いを抱えてきました。
声掛けても無視されるとか、普通でしたし。普通に無視されるのが普通。
それは、今も変わりません。親と心の通った会話ができた記憶なんて特に無いですよ。

親を頼れない。信用できない。これは、結構辛い。


私の場合は、本や漫画で色々慰められたり恨みを持っても意味がないことを学んだり 親のように心配してくれる人に出会うことで「まぁ別にいっか~」となれましたけど

ヨハンの場合は知能の高さも邪魔してまぁ~難しい。。(о´∀`о)
殺人を犯した自分を許してくれたのにね。。許してくれたことを受け入れられない。

















ヨハンのいう「終わりの景色」、








それは (多分) 途方もない孤独。














『死』は、誰にでも平等にやってくる。




でも、『孤独』は。













『孤独』こそを、人は恐れてるんじゃないかな~………………とか。。









最近学んだスピリチュアル的なことだと、人は死んで“あの世”にいっている状態のほうがホントの状態だというんですね。

今、この世で生きているのはバーチャルリアリティみたいなものだと。

私は今 この説を採用していて。




だから本来は、『死』を恐れる必要は無いのだけれど、

なぜ大半の人が『死』を恐れるのかっていうと、死ぬと『孤独』になる、と思っているからなのかな~って。。



死ぬこと自体を恐れてるというより、その先にある『孤独』こそを恐れているのかな、とか。。





( ´∀`)




まぁ 私の個人的解釈です。











孤独が怖いとはいえ、


人間生まれる時も死ぬ時も一人だから。
きっと大丈夫。

まぁなんとかなるんでしょう。










そもそも理解し合えてる感覚も、お互いに都合良く勘違いしてるだけかもしれないし⤴

他人が何考えてるかなんて分からないし知る必要もないと思うんですね。


それを知ろうとしたのがナチス時代に代表される頃だったのかもしれないですが。


他人の全てを知っても幸せにはなりませんよ。
むしろ辛い想いすると思うさ。






狭い島に住んでると、人のいろんな面が見たい訳でもないのに見えてきちゃうんだけど。辛いさ(笑) 




人は皆、良い面もあれば悪い面も薄汚い面もあります。むしろ、汚い面のほうが多いかもしれない。自分だってそうだろうし。

だから別に全部を見る必要はないし、完璧を目指す必要もないし、全てを理解してもらおうなんていうのも不毛なこと。



うーんでも頭の良い人・感受性の強い人は色々分かっちゃうから……辛いかもですね。








漫画『MONSTER 』はエンターテイメントとして本当に優れた作品です。

小出しに出てくる伏線、じわじわくる恐怖、それらを漫画の中のみならず読者にも体験させることに成功した作品だと思います。 



そこに焦点が当てられた作品だからこそ、 ヨハンが救われることはなく読後はちょっと私はもやもやしてしまうんですが、作品としてはこれでいいんですよね。










や~でも

洗脳とか教育とか愛情の大切さとか考えさせられます。


今だって、現在進行形で洗脳まがい(つーか洗脳)のものはあちこちに溢れていますし。
陰謀だの○○計画だの、ガチでやられてますよ。



ただ

人を陥れる側の人たちが幸せだとは限らないでしょうね。。むしろ、可哀想な人たちだと思います。 
ヨハンのように、もう他人の愛情が分からないのかもしれないし受け入れようにも歪んで おかしなカタチにしかならないのかもしれない。そおいう人達が今の地球を支配してるのかな??とかも考えます。じゃあどうしたら愛情を教えられるんだろう?受け入れられるようになるんだろう??とかも。。





子供の頃に与えられなかった愛情を 大人になってからでも与えられたら、世の中は大きく変わるのかもしれない・・とも考えました。